髙塚紗矢香
タカツカ農園
「小さい頃から家には人が集まっていました。農業研修で来ていた海外の人や、ご近所さん、親戚。常に誰かがいて、にぎやかでしたね。」
新潟市秋葉区善道町の農家に生まれ育った髙塚さん。
祖父や父の影響で、地域内外の多くの人と自然に関わる環境が整っていました。
農家組合の乾燥場では、慰労会が開かれ、子どもながらに“人とつながること”の大切さや楽しさを肌で感じていたといいます。
一方で、目標に向かって努力する力もこの頃に培われました。
「中学・高校受験では、馬術を続けたかったので江南高校を志望しました。偏差値は20くらい上げなきゃいけなくて、もう本当に必死で勉強しましたね。」
大学受験も同様に、「死ぬほど勉強した」経験が、今の自分を支える精神力と自己肯定感につながっていると話します。
「あのとき、やればできた。それが今の自信になっています。」
現在、高塚さんの本業は農業。
そのかたわら、地域イベントの運営や子どもたちとの交流、体験農園の運営など、幅広い地域活動に関わっています。
「体験農園に来てくれる方を、お客さんではなく“仲間”として迎えたいんです。人と人として関わることが何よりも大事だと思っています。」
地域の夏祭りでは、運営に携わることも。
一方で「目立つことに浮かれず、地に足をつける」ことも忘れないと語ります。
「目立つ立場の人間こそ奢らず、周りの人を大切にしたい。そうすれば、自然と信頼関係ができていくと思うんです。」
秋葉区について話を向けると、地域に根ざす人々の姿勢にも触れてくれました。
「ここには、夢を語るだけじゃなく、実際に行動に移す人が多い。口だけじゃなくて“動く人”がたくさんいて、私も日々刺激をもらっています。」
「これからは、新しいことをガンガン挑戦するよりも、今ある人や活動を丁寧に育てていきたいです。」
かつての“がむしゃら”とは違い、今は「無理をしすぎず、バランスを取りながら関わる」ことを選んでいます。
それは、自分の余白を大事にしながら、地域との関係性を長く続けるための等身大の考え方でもあります。
「自分に余裕がないと、周りにも優しくできないですから。」
秋葉区の移住者支援にも触れながら、こんなメッセージも語ってくれました。
「秋葉区は移住者にとても優しい街です。都会から少し離れて、便利で穏やかな地方暮らしができる場所。人も温厚で、外から来る人を受け入れてくれる土壌がありますよ。」
最後に、地域と関わりたいと願う人たちへ、高塚さんらしいまっすぐなエールを。
「やりたいことは我慢せずにやったほうがいい。後悔するくらいなら、まずは挑戦してみてください。」
Akiha-ku: A Town Where You Encounter Treasures
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